「勉強しなさい」と言えばケンカになり、何も言わなければ一日中スマホを見ている——不登校中学生を抱える家庭では、こんな日常に疲れている保護者が少なくありません。学校に行けない以上、家庭学習でなんとか遅れを取り戻したい。けれど、親が指導役になると親子関係がギスギスする。この板挟みの中で、多くの保護者が出口を見つけられずにいます。
株式会社WIALISが不登校児を持つ保護者200名に実施したアンケート調査では、家庭学習にまつわるこうした”見えない悩み”が数字として浮かび上がりました。本記事では、調査結果をもとに不登校中学生の家庭学習の実態と、保護者が無理なく続けられるサポートの方向性を解説します。
不登校中学生の家庭学習、保護者が抱える”見えない悩み”とは
不登校になった中学生の家庭学習は、単純な「勉強の遅れを取り戻す」という話では片付きません。子ども自身が学習に向かう気力を失っていたり、親が声をかけるたびに反発したり、計画を立てても続かなかったり——複数の問題が絡み合っています。
特に中学生は思春期の真っ只中。親の言葉を素直に受け取れない時期と、不登校という繊細な状況が重なり、家庭学習のハードルは想像以上に高くなります。今回の調査では、この複雑な現実が具体的な数字となって表れました。
家庭学習の最大の悩みは「子どものモチベーション維持」69.0%

家庭学習を進めるうえで「困っていること」を尋ねたところ、最も多かった回答は「子どものモチベーション維持」で69.0%。次いで「計画通りに進まない」が62.0%、「親が教えると親子関係が悪化」が41.5%という結果でした。
7割近くの保護者がモチベーション維持に苦しんでいる現実は、家庭学習が”勉強の問題”ではなく”心の問題”であることを示しています。やる気のない子どもに教材を渡しても、机に向かわない。机に向かっても集中しない。この繰り返しに、保護者が先に疲弊してしまうケースも少なくありません。
中学生の場合、思春期特有の自己肯定感の低下も重なり、「やってもどうせできない」「今さら追いつけない」という気持ちが学習意欲を奪っていることもあります。
4割超の家庭で「親が教えると親子関係が悪化」|家庭内指導の限界
特に注目すべきは、41.5%の家庭で「親が教えると親子関係が悪化する」と回答している点です。これは保護者が真剣に向き合っているからこそ起こる現象でもあります。
家庭という閉鎖的な空間で、親が「保護者」と「指導者」という二つの役割を兼ねるのは、心理的にも実務的にも非常に難しいことです。教える側はつい厳しくなり、教わる側は逃げ場がない。結果、勉強そのものが親子関係を壊す引き金になってしまいます。
この事実は、学習管理を外部の第三者に委ねる必要性を強く示唆しています。親は”伴走者”に徹し、指導や進捗管理は専門家やオンラインサービスに任せることで、親子関係を守りながら学習を継続できる環境が作れます。
学習計画の立て方、最多は「計画を立てず当日判断」37.5%

家庭学習の計画立案についても、興味深い結果が出ています。「計画は立てず当日判断」が37.5%で最多、次いで「保護者が計画を立てている」が27.5%、「第三者(フリースクール等)と立てている」が17.0%、「親子で話し合って立てている」が15.5%、「子ども本人が立てている」はわずか2.5%でした。
「当日判断」が4割近くを占める現状は、学習の習慣化に課題を抱えている家庭が多いことを物語っています。また、保護者単独で計画を担う比率(27.5%)が親子協議(15.5%)を上回っており、保護者のディレクション負担が非常に大きい現状も浮き彫りになりました。
中学生は本来、自分で学習計画を立てる力を育てたい年齢です。しかし不登校という状況下では、その自走力を育てる前段階のサポートが不足しているのが実情です。
1日の家庭学習時間、約7割が「不安定」または「15分未満」

学習時間の実態はさらに厳しいものでした。「日によって極端に差がある」が35.5%、「15分未満(ほぼ取り組めない)」が31.0%、「1〜2時間程度」が19.5%、「15〜30分程度」が10.0%、「30分〜1時間程度」が4.0%という結果です。
つまり、約7割の家庭が「学習時間が不安定」もしくは「ほぼゼロ」の状態にあります。この層に対して「もっと勉強しなさい」と長時間学習を強いるのは、むしろ逆効果です。
必要なのは、5〜10分の短時間学習でも”前進”として認める柔軟な評価基準。たとえば「ログインして10分だけ学習した日も出席扱いにする」といった仕組みは、子どもの自己肯定感を守りながら学習習慣の芽を育てます。
家庭学習サポートサービスに求められるもの|「出席扱い」と「低価格・短時間」が同率1位

では、保護者は外部サービスに何を期待しているのでしょうか。「出席扱いの対象になる」が55.5%、「短時間・低価格から利用できる」が55.0%と、ほぼ同率でトップに並びました。次いで「進捗を一緒に管理してくれる」が36.0%、「メンタル面もサポート」が25.5%です。
学習成果よりも「出席扱い」という制度的価値、そして「無理なく始められる価格と時間」が重視されている点は重要です。家から出られない状況下において、学校との繋がりを公的に保つことが、保護者にとって心理的な防波堤になっていることが分かります。
家庭学習の悩みを軽減するために保護者ができること
今回の200名調査から見えてきたのは、次の3点です。
- 家庭学習の悩みは「勉強」ではなく「親子関係」と「モチベーション」にある
- 保護者が一人で抱え込むほど、親子関係は悪化しやすい
- 短時間でも継続できる仕組みと、第三者のサポートが鍵になる
不登校中学生の家庭学習で最も大切なのは、「完璧を目指さない」ことです。1日10分でも、週に2〜3日でも、子どもが自分のペースで取り組めれば、それが次のステップへの土台になります。
株式会社WIALISでは、保護者の負担を軽減し、子どもが無理なく続けられるオンライン学習サポートを提供しています。家庭学習に行き詰まりを感じている方は、お気軽にご相談ください。
※本記事の調査データ:株式会社WIALIS実施/不登校児を持つ保護者200名対象アンケート