学校に行けない時期が長くなると、必ず頭をよぎるのが学習の遅れです。「せめて家で少しずつでも」と考え、学習計画を立てようとしたことがある方は多いのではないでしょうか。ただ、その計画が実際に動いているご家庭は、どのくらいあるのでしょうか。
そこで株式会社WIALISでは、中学生のお子さんが学校に行きづらい状況にある保護者200名にアンケート調査を実施しました。学習計画を立てた経験があるか、誰が中心に作ったか、立てて良かったこと、続かなかった理由を伺っています。結果は、想像以上に「そもそも計画にたどり着いていない」実態を映すものでした。
今回の調査について
調査は、中学生のお子さんがいて、現在または過去に不登校・不登校傾向を経験している保護者(全国の30代後半〜50代女性)200名を対象に実施しました。学習計画の有無、作成の中心となった人、立てて良かった点、うまくいかなかった理由について聞いています。
85.0%が「学習計画を立てたことがない」
まず、お子さんの学習計画を立てたことがあるかを聞きました。

「立てたことがない」が85.0%。計画を立てた経験があるご家庭は15.0%にとどまりました。しかもその内訳は、「立てたことはあるが計画通りにはいっていない」11.5%、「立てたが、途中で続かなくなった」3.5%。つまり、今回の200名の中に「立てて、今も継続できている」という回答はありませんでした。
学習計画というと「立てたのに続かない」ことが問題にされがちですが、実際にはその手前——体調や気持ちの波に向き合うだけで精一杯で、計画を作る段階まで進めない時期がある、というのが多くのご家庭の現実のようです。
計画を作ったのは「保護者が中心」76.7%|相談相手がいない
ここからは、学習計画を立てた経験がある30名の回答を見ていきます。
計画を主に誰が作ったかを聞いたところ、「保護者が中心に作った」が76.7%と大半を占めました。一方、「オンラインフリースクールや支援機関のスタッフと一緒に作った」「学校の先生と一緒に作った」はごくわずかで、子ども自身が中心に作ったという回答もほとんどありません。
計画づくりが保護者ひとりの仕事になっている——この構図が、後述の「続かない理由」にそのままつながっていきます。学校を休んでいる間は担任の先生と学習の話をする機会も減りがちで、「何をどこまでやらせるべきか」の判断まで家庭に委ねられてしまうケースは少なくないようです。
立てて良かった点|「小さな達成感を積み重ねられた」63.3%
それでも、計画を立てたことで良かったと感じる点はありました(複数回答・計画を立てた30名)。

最も多かったのは「小さな達成感を積み重ねられた」63.3%、次いで「生活リズムが整った」23.3%でした。
注目したいのは、上位に来たのが「学習の遅れが取り戻せた」ではないという点です。計画の価値は、進度そのものよりも「今日はここまでできた」と確認できることにあるようです。裏を返せば、達成感が持てない粒度の計画——たとえば「1日3時間」「今月中に1学期分」といった大きすぎる目標は、途中で機能しなくなりやすいということでもあります。
続かない理由|「体調・気分の波」70.0%、「見守る大人の時間」50.0%
うまくいかなかった・続かなかった理由も聞きました(複数回答・計画を立てた30名)。

最多は「体調や気分の波で予定通りにいかなかった」70.0%。次いで「見守る・確認する大人の時間が足りなかった」50.0%、「そもそも計画を立てること自体が負担になった」13.3%でした。
ここに、今回の調査で見えた一番のポイントがあります。続かない原因は、本人のやる気でも計画の中身でもなく、「波があること」と「一緒に見てくれる人がいないこと」でした。前章のとおり計画は保護者がひとりで作っています。仕事や家事の合間に確認までこなすのは簡単ではなく、やがて計画表だけが残る——という流れが起きやすくなります。
調査結果を受けて、WIALISが大切にしていること
WIALISでは、学習の予定をご家庭だけで抱えずに済むよう、スタッフが本人と一緒に「今週はここまで」という小さな単位で決め、次の回に一緒に振り返る形をとっています。調子が出ない日があることを前提に、そのつど組み直せることも大切にしています。計画は、立てる人より「一緒に見直す人」がいるかどうかで続き方が変わると考えています。
まとめ|計画は「小さく・ひとりで抱えない」
今回の調査では、85.0%が学習計画を立てたことがなく、立てた家庭でも継続できているケースは見られませんでした。一方で、計画を立てた家庭の63.3%が「小さな達成感」を挙げています。
まず、計画を立てられていないこと自体を責める必要はありません。そのうえで始めるなら、達成感が持てる小ささにすること、そして保護者がひとりで抱えず、一緒に見直す相手を持つこと。この2点が、今回の200名の声から見えてきた現実的な進め方です。
※本記事の調査データ:株式会社WIALIS実施/中学生の子を持つ保護者200名対象アンケート(学習計画の内容に関する設問は、計画を立てた経験がある30名の回答)