学校に行けない時期が続くと、勉強の遅れ以上に気がかりになるのが「この子には、家のほかに居場所があるだろうか」ということではないでしょうか。誰とも話さない日が増え、部屋にこもる時間が長くなると、親としては声のかけ方にも迷いが出てきます。
そこで株式会社WIALISでは、中学生のお子さんが学校に行きづらい状況にある保護者200名にアンケート調査を実施しました。家庭以外の居場所があるか、オンラインの場をどのくらい使っているか、子どもがそこに何を求めているように見えるか。「居場所」の現在地を伺っています。
今回の調査について
調査は、中学生のお子さんがいて、現在または過去に不登校・不登校傾向を経験している保護者(全国の30代後半〜50代女性)200名を対象に実施しました。家庭以外の居場所の有無、オンライン上の居場所の利用状況、子どもが求めていると感じるもの、利用して感じた変化について聞いています。
67.0%が「家庭の中だけ」|家の外に居場所がない
まず、お子さんに家庭以外の「居場所」と呼べる場所があるかを聞きました。

「ない(家庭の中だけで過ごしている)」が67.0%と、3人に2人にのぼりました。「ある」と答えた家庭の内訳を見ると、「オンライン上の場のみ」が32.0%を占め、「対面の場のみ」はわずか1.0%です。
不登校の時期は、学校だけでなく塾や部活、友人との約束といった対面の場からも同時に足が遠のきます。その中で、いま実際に機能している家の外の居場所は、ほぼオンラインに限られている——というのが今回の結果でした。
オンラインの居場所、利用中は30.5%|「踏み出せていない」26.0%
続いて、オンライン上の居場所(コミュニティやスクールなど)の利用状況です。

「現在利用している」は30.5%、「過去に利用していたが今はしていない」7.5%を加えると、利用経験がある家庭は38.0%でした。
目を引くのは、その手前で止まっている層の厚さです。「利用したいが踏み出せていない」26.0%と「利用を検討している」24.0%を合わせると、ちょうど半数が「気になってはいるが、まだ使っていない」状態にあります。関心がないわけではなく、最初の一歩の前で足踏みしているご家庭が非常に多いことがうかがえます。「本人が嫌がるかもしれない」「体験を申し込んで、結局続かなかったらどうしよう」——そう考えているうちに時間が過ぎてしまうのは、決して珍しいことではないようです。なお「利用する予定はない」と答えた方は12.0%にとどまりました。
子どもが求めているのは「誰にも見られない安心感」67.5%
お子さんがオンラインの居場所に求めていると感じるものを、複数回答で聞きました。

最多は「誰にも見られない安心感(顔出しなしなど)」67.5%。次いで「特に求めているものはわからない」61.0%、「決まった時間に参加する生活リズム」25.0%と続きました。
実際に利用している・していた76名にしぼると、この傾向はさらにはっきりします。「見られない安心感」は75.0%、「決まった時間に参加する生活リズム」は50.0%まで上がり、「わからない」は31.6%まで下がりました。使ってみて初めて、子どもが何に安心し、何を頼りにしているかが見えてくる、ということかもしれません。顔を出さずに参加できること、そして「この時間に集まる」という緩やかな枠組みが、居場所として機能しているようです。
利用して感じた変化|最多は「生活リズムが整ってきた」35.5%
オンラインの居場所を利用している・していた76名に、感じた変化を聞きました(複数回答)。

「生活リズムが整ってきた」が35.5%で最も多く、「特に変化は感じていない」32.9%がほぼ並びました。「会話が増えた」6.6%、「表情が明るくなった」1.3%は少数です。
劇的な変化を挙げる声は多くありません。ただ、朝起きる時間が定まる、その日の予定ができる——という変化が3分の1を超えて挙がった点は、居場所の役割を考えるうえで見逃せない結果だと感じます。一方で「変化なし」も同程度である以上、短期間で結果を求めすぎない見方も必要そうです。
調査結果を受けて、WIALISが大切にしていること
今回の結果で印象的だったのは、半数のご家庭が「気になっているが踏み出せていない」段階にあったことです。WIALISでは、顔出しなし・声を出さずチャットだけでの参加もできるようにしており、まずは見学だけ、保護者の方だけのご相談だけ、という関わり方も歓迎しています。いきなり毎日通う形を目指す必要はありません。
まとめ|居場所づくりは「顔を出さなくていい」ところから
家庭以外に居場所がない子が67.0%、いま機能している家の外の場はほぼオンラインのみ。そして子どもが求めているのは、交流そのものより「見られない安心感」でした。
居場所というと、誰かと打ち解けて話せる場所を思い浮かべがちです。しかし今回の回答からは、まず「見られなくていい・話さなくていい状態で、そこにいられること」が出発点になっていると読み取れます。踏み出せずにいるご家庭も、そこから始めてよいのだと思います。
※本記事の調査データ:株式会社WIALIS実施/中学生の子を持つ保護者200名対象アンケート