春休み中の過ごし方~春休み明けの不登校、何か対応できることはあるのでしょうか~

2月半ばあたりから、4月からの学校生活が心配なご家庭からのお問い合わせが増加しています。
世間的にも、春休み・夏休みの長期休暇明けは学校に行けなくなるという話をよく聞きますよね。
登校渋り、行き渋りがあるお子さまをお持ちの場合、周囲の進学・進級の雰囲気が盛り上がってくるほど、不安も出てくるのではないでしょうか。

これまで接してきた不登校のご家庭のケースをもとに、WIALIS(ウィアリス)なりの「不登校生にとっての春休み」について、考えてみました。

学校が苦手な子にとっての春休み

4月というのは新入学・新学年・新しいクラス・・・不登校でないお子さまにとっても、不安と期待の入り混じる時期です。
学校生活の中では、2月頃から進級に向けての心構えを持ってもらうための働きかけが行われます。
進級に向けてやる気を出したり、新学年を楽しみにしてもらったり、成長を願ってのこの働きかけも、学校生活に何らかの不安を持っているお子さまにとっては大きなストレスとなっているかもしれません。

今年度、登校渋りが続いた場合も、学校へは通っていなかった場合も、土日や長期休暇は「学校へ行かなくては」と思う必要がなくなるので、少し気持ちが楽になっている子もいると思います。
以前、不登校歴のあるお子さまをお持ちのお母さんが、「大人になって、あのときの気持ちを本人が話してくれるようになった」と教えてくれました。
そのお子さまは、中学・高校と不登校が続き、通信制高校へ転校。
その後は大学進学を果たし、今は就職して会社員生活を送っているそうです。
不登校の時期はお母さまの声かけも心に届いていない様子があり、学校の先生や大人からの声かけも、「この回答を求められてるんだろうな」という空気を読んだ返事をしていました。
例えば、学校に来るの待ってるよ、と言われたら、「ありがとうございます、明日行ってみます」と当然のように答えるんだそうです。すると、お母さんも「行く気持ちになったんだ」と期待してしまう、でも翌朝になると、全く行く様子は見えない・・・こんなことが何度もあったと伺いました。

その親子の話はまた別の機会に詳しくお話しするとして、、、その子は、昼夜逆転がありました。
その当時は、親から見ると「夜遅くまでゲームばかりで朝起きれなくなっている」ように感じ、ゲームの時間制限などしていたようです。
それが、最近になって話していると、「周りの同世代が学校に行っている時間に、学校に行けていない自分」を思い知らされるのがしんどくて、午前中の時間帯は起きられなくなる、のだと分かったそうです。朝7時~9時の間は特に、「登校しなくてはいけない」という雰囲気が強くなりますよね。テレビ番組からも「今日も元気にいってらっしゃい!」とか言われてしまいますし・・・
不登校になるお子さまは、何かしら気持ちがセンシティブになっていることもあり、「みんなが学校で勉強しているはずの時間」、「登校するべき時間帯」に家から出られない自分に落ち込んでしまうケースも多いのだと思います。

だからこそ、学校に行っていなくて当然の時間帯である夜や長期休暇こそが、プレッシャーを感じず過ごせる時間なのです。
ただ、春休みは特に、休みの終わりが見えてくるにしたがって、新しい環境に対しての不安が増してくる場合も多いかもしれません。

春休みの声かけはどうすべき?

春休みが明ける4月。
「学校に通うことができるのだろうか?」
この数カ月のお子さまの様子から、保護者の皆さまも不安を感じていらっしゃることと思います。
心配なお気持ちから、この1年の学習の遅れを取り戻してほしい、夜遅くまでゲームばかりやるのはやめてほしい、ついつい本人に声をかけていませんか?
保護者の方にそのつもりがなくても、心の中で「学校に行かなくては」と思っているお子さまにとっては、「勉強しなさい」「早起きしなさい」も登校刺激につながってしまう場合もあります。

とはいえ、口に出さないようにとは思いつつも、このままでいいのだろうかと心配になるお気持ちは、ものすごく、本当によく分かります。
お子さまとの関係性や本人の心の状態にもよっても対応方法は変わるのですが、やはり一番いいのは、普段接するご家族の皆さんが「新学期、学校に行けなかったとしても問題なし!」と心から思っていただき、お子さまに伝えてあげることだと思います。
ご家族の中で、学校に行くように働きかけてしまう方がいる場合でも、お母さまだけでも、お父さまだけでも、学校に行けなくても大丈夫だよと声をかけてあげてください。
「学校に行かなくては」という気持ちがある子ほど、「行けなかったら」の不安を心の中に持っています。「学校に行けるよう一緒に取り組む」のも大事ですが、でも「行けなくてもいいんだよ」というメッセージを伝えてあげてほしいなと思います。

不登校生の多くが「学校に行けない自分」を否定的に捉えていたり、学校に行こうと思えば思うほど苦しくなる気持ちと一人で戦っていたりします。
そんなお子さまの状態を常に認め、味方になる人がいると気付くと、少しずつ前を向き、本人なりの一歩を踏み出せるときが来ます。

その上で、一歩を踏み出すときがきたときのために、
・少しずつでも、得意な教科だけでも勉強を進めてみる
・早寝早起きの習慣をつくる
・スマホやゲームは一定のルールの範囲で使う
など、保護者の方が気になっている部分を伝え、考えてもらうための話し合いを一度持つのはどうでしょうか。

声かけがうまくいかない場合

そうはいっても、思春期の子どもたちは、一番身近な存在である親の声かけを素直には受け取ってくれない場合も多くあります。
これは不登校のお子さまであってもそうでなくても、小学校高学年~中高生の年齢では当然の反応。
多くの子どもたちが通る道ですので、深く悩む必要はありません。
言っても効果がないときは引いてみる、または、第三者に対応してもらうのが一番と割り切って、保護者の方自身が、気持ちを楽にしてお子さまと接してほしいなと思います。

例えば…
・スクールカウンセラーに話を聞いてもらう(親だけでも)
・教育委員会の運営する教育相談を利用する
専門知識のある方が対応するし、場合によっては学校にもつながりやすくなるのでお勧めです。ただ、地域によっては予約が取りづらかったり回数に制限があったり、逆に学校とつながりたくないケースなどもあるかもしれません。

また、最近はSNS上の不登校の親の集まりもたくさんあります。
みんな同じ経験をしているので、とても親身に話を聞いてくれたり、参考になる情報があふれていたりします。
Facebookの公開グループや、LINEオープンチャットで「不登校 親」で検索するといくつか出てきますので、参加人数が多いところにまずは参加してみて、自分に合いそうなところを探してみてもいいと思います。
もっとしっかり親同士でつながりたい場合は、インターネットで検索してみると、リアルで集まって話を聞けたり、オンラインで定期的にお話会をしているところもあります。

そういった場所で、まずはご家族の気持ちを整理していくことが、お子さまにとってもいい方向へと進んでいくことも多いのです。

WIALISオンラインフリースクールでの春休み

WIALISオンラインフリースクールでは、新年度の新しい環境に対する不安を軽減するためにも、春休み中もこれまでと変わらないペースで過ごすことが大切だと考えています。
毎日学習を進めている子は、春休み中でも変わらず学習できる場所を。
お友達とのコミュニケーションを楽しんでいる子には息抜きの場所を。
春休み明けの登校が心配な方も、ぜひ一度、オンラインキャンパスを体験してみませんか?

WIALISでは、基本的には、学年相当の学習を進めていけるようになることを目指して、サポートクルーがお子さま本人の希望を聞きながら、学習計画や少し先までの目標を一緒に決めます。
例えば「〇時に起きて午前中にオンラインキャンパスに入る」といったスモールステップからスタートするパターンや、学習が苦手でも「ちょこっと授業」に参加したり、サポートクルーと一緒に授業動画を視聴するなどの働きかけを行ったり。
学習意欲の高いお子さまや、順調に学習を進められるようになってきた場合は、教科や単元までを落とし込んだ学習計画も行っています。

安心できる過ごせる居場所があると、学校生活への自信が取り戻せたり、進学に対して前向きに考えられるようになったり、プレッシャーを受け流せるようになったり、いい効果が生まれます。
自宅から出てコミュニケーションを取ることが平気なお子さまであれば、通える範囲のフリースクールや教育支援センターを試してみてもいいと思います。
まだ家を出るのは難しかったり、外に気持ちが向くほどエネルギーがなかったりする場合は、まずはオンラインのフリースクールをいくつか試してみてもいいと思います。

休み明けに備えて、学校に行かなくても安心して過ごせる選択肢の情報を、いろいろ集めてみてくださいね。

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