不登校の期間は「勉強が止まる」ではなく、「やり方を変える」時間です。大切なのは、お子さまが楽に取り組める形を見つけ、できることから静かに積み重ねること。ここでは中学生を想定し、家庭で続けやすい学習支援と計画づくりのコツを、具体例中心でまとめます。
学習支援の基本方針:安心・見通し・可視化

- 安心:短時間の取り組みでも合格にするなど、心理的な負担を下げます。
- 見通し:今日やることを一つに絞り、終わり方を先に決めます(例:ワーク1ページで終了)。
- 可視化:やった時間・単元・ひとこと感想をメモ。小さな達成を見える形で残します。
中学生の学習計画づくりのコツ(実務編)

- 具体的な目的を持つ
例:「比例の文章題を解けるようにする」「be動詞と一般動詞の区別をつける」。あいまいな「頑張る」は避け、達成の姿が想像できる一文にします。 - 週の“軸科目”を決める
数学か英語のどちらかを軸にし、もう一科目は軽めに。科目数を増やしすぎないほど続きます。 - 1回の学習は完了が明確なタスクにする
「プリントNo.12の表まで」「音読2回+確認5問」など、終わりが見える指示にします。タイマーは15〜25分を目安に。 - 難易度は「易→普通→少し難しい」の順
いきなり難問から始めると、時間がかかるわりに手応えが少なく、続かなくなりがちです。最初に必ず解ける問題で助走をつくると、達成感が生まれ、次に進むエネルギーが残ります。少しでも前進することが最優先で、難しい問題に粘って止まってしまうより、易しい問題を確実に積み重ねた方が流れは途切れません。
運用の目安:
・前半5分は「確実に解ける」問題でウォームアップ
・本題は「普通レベル」を時間内に片づける
・最後に「少し難しい」を1問だけ触れる(時間切れなら翌回へ)
・正答率は80%を合格ラインにし、残りは復習日に回す - 復習の時間を設ける
新しい内容ばかりにせず、毎回の最後に前回の見直しを3分ほど取り入れます。短い間隔で何度も触れる方が定着しやすく、負担も少なくて済みます。 - テストや提出の“逆算”は3ステップ
範囲の把握→提出物の割り振り→確認テストの配置。提出は写真共有でもOK。完璧を目指して止まるより、まず提出して流れを作ることを優先します。
家庭で続く実践ポイント集

- 始める合図を決める
机を拭く→水を一口→タイマーを押す、の三動作を固定。開始までの迷いを減らします。 - 今日やることは三択から本人が選ぶ
用意したミニタスク(例:計算プリント/英単語カード/理科クイズ)から選ぶと主体性が生まれます。 - 感想は一言で十分
「できた」「難しかった」「次はここをやる」の三語でOK。長文の振り返りは負担になります。 - しんどかった出来事は当日中に共有
何がつらかったか→次はどう避けるか、だけをメモ。嫌なことを溜め込まない仕組みを先に作っておきます。 - ほめ方は“行動+事実”で
「15分座れた」「質問を1回送れた」など、具体的な行動を短く言葉にします。 - 週1回のミニ面談
3分で「できたこと/次にやること/困りごと」を確認。予定が合わない週は付箋1枚の共有に置き換えてもOK。
オンライン活用の上手な取り入れ方

- 自習見守りや短時間授業で「座る時間」を確保。
- 顔出しや発言は任意にできる環境を選び、調子に合わせて参加形態を調整。
- 学習ログや月次のまとめがあると、在籍校への共有が現実的になります。
- 家庭の負担が大きい記録づくりは、フォーマットに合わせて省力化。写真とチェックだけでも十分機能します。
学校との連携を進めるコツ

- 相談前に「目的・対象範囲・記録の型」を1枚に整理。
- いきなり全教科に広げず、まずは「この単元をこの期間で」と限定して合意を取り、実績を見ながら範囲を拡大。
- 連絡の窓口と頻度(例:週1回、要点のみ)を先に決め、保護者の負担をコントロールします。
まとめ
不登校の学習支援は「安心・見通し・可視化」が軸です。中学生の計画づくりは、具体的な目的を持ち、完了が明確なタスクに分け、易しい問題から手応えを積み重ねることが近道。オンラインの力も上手く借りながら、家庭・学校・支援先の三者で役割を分け、無理のないペースで前に進んでいきましょう。
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